太陽の基礎知識

①太陽ってどんな星?

・主に水素とヘリウムでできている

・直径:140万km

・質量:2×10^30kg

・熱源は中心部における水素の核融合反応

私たちの目(可視光)で見える表面は光球と呼ばれ温度は約6000℃。その上空は彩層(数100km~2000km)と呼ばれる層で約1万℃の大気である。さらに上空に行くとコロナ(2000km~)と呼ばれる層になり約100万℃まで温度が上昇する。太陽の熱源は中心にあるのに外側のコロナが熱い大気構造になっている。この不思議な現象はコロナ加熱問題として知られている。光球、彩層、コロナはそれぞれ温度が異なる大気であるので、異なる光の波長で観測することでそれぞれの大気の構造を知ることが出来る。彩層は水素やヘリウムの吸収線で観測することができ、コロナはX線や極端紫外線で観測ができる。

②磁場とプラズマと黒点

太陽物理を理解する上で磁場とプラズマは非常に重要である。磁場とは磁気の力が働く空間のことを言い、磁力線の接線方向が磁場の向きになる。

本来、磁力線は目には見えないが、プラズマの性質のおかげで太陽ではX線や極端紫外線の観測により磁力線の形を知ることができる。プラズマとは気体中の原子が電子と陽子に分かれて運動している状態である。よく物質には固体・液体・気体の3つの状態があると言われるが、プラズマは物質の第4の状態であると言える。プラズマの性質の一つとして磁力線と一緒に動く(磁力線凍結とよばれる)という性質がある。太陽コロナ中では水素が完全に電離し、プラズマ状態にある。プラズマが磁力線に沿って分布するため、コロナではループ状の構造がよく観測される。

太陽で最も特徴的な構造と言えば黒点である。そもそも黒点はなぜ黒いのだろうか。

答えは簡単で、単純に周囲より温度が低いため暗くみえるのである。黒点の中心部は約4000℃で、黒点の周囲は6000℃である。それではなぜ黒点の温度は低いのだろうか。そこでも磁場という言葉がキーワードになる。実は黒点はたくさんの磁力線が束になったものの切り口なのである。

太陽表面には内部から熱いガスが対流によって運ばれてくるが、黒点付近では強い磁場の力により対流が阻害される。そのことにより黒点は周囲より温度が低くなってしまう。

黒点は大きな磁場を持っているためしばしばその磁場のエネルギーを解放して太陽フレアという爆発現象を引き起こす(次の章へ続く)。

③太陽フレアと磁気リコネクション

上の画像は太陽観測衛星「ひので」によって観測された太陽フレアである。太陽フレアのエネルギーは水素爆弾の10万倍から1億倍であると言われる。この太陽フレアはどのようなメカニズムで発生するのだろうか。ここでもまた磁場がキーワードになる。磁場のエネルギー解放を起こすメカニズムの一つとして磁気リコネクションというものがある。

磁気リコネクションは反平行の磁力線が十分に近づいた時におこる。磁力線はゴム紐と似た性質を持ち、反平行の磁力線が十分に近づくとつなぎ変えをおこして、ぱちんこと似た原理で外側へ飛び出していく。上述したようにプラズマは磁力線に凍結しているので、一緒にプラズマも加速されていく。このようにしてコロナで加速された高速のプラズマやそれによって生まれた熱が表面に伝わっていくことで観測されているような現象になる。

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