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Research

研究の大きな問い:太陽フレアは、いつ・どこで・なぜ起きるのか

太陽フレアは、太陽の表面付近で起きる、太陽系で最大級の爆発現象です。わずか数十分ほどの間に、目に見えない磁場に蓄えられていたエネルギーが一気に解放され、電波からX線までの光や高速の粒子が放たれます。ときには、太陽の外へプラズマの塊が飛び出すコロナ質量放出(CME)も起こります。CME が地球に届くと、人工衛星の故障や通信障害、送電網のトラブルを引き起こすことがあり、「宇宙天気」として社会的にも注目されています。

フレアのエネルギー源が磁場であることは、ほぼ確実と考えられています。ところが、エネルギーが蓄えられている上空(コロナ)の磁場は、ほとんど直接測ることができません。精度よく測れるのは、私たちが目で見ている太陽表面(光球)の磁場だけです。表面の磁場の分布だけを手がかりに、上空で何が起きているのかを推し量らなければならないことが、太陽フレア研究の最大の壁になっています。

私はこの壁に、次の3つの方向から取り組んできました。

  • 計算で上空の磁場を推定する:光球の磁場から3次元の磁場を数値計算で再現し、エネルギーがいつ・どこに蓄えられるのかを調べています。 → 非線形フォースフリー磁場 (NLFFF)
  • より上空の磁場を直接測る:光球の上にある彩層の磁場を偏光分光観測で測り、計算の弱点を確かめています。気球望遠鏡 SUNRISE III の観測装置 SCIP の開発にも携わりました。 → 彩層の磁場
  • 多数のフレアを統計的に調べる:200例以上のフレアを比べ、どのようなフレアが CME を伴うのかを調べました。 → フレアとCME

太陽の大気や磁場、フレアの基本については 太陽の基礎知識 にまとめています。

これから

現在は国立天文台の SOLAR-C プロジェクトで、2028年度に打ち上げ予定の太陽観測衛星 SOLAR-C に搭載する紫外線分光望遠鏡 EUVST の開発に携わっています。SOLAR-C は、彩層からコロナまでを切れ目なく分光観測し、温度や速度を測る衛星です。SUNRISE III で測った下層大気の磁場と組み合わせることで、表面の磁場の変化がどのように上空の爆発へとつながるのかを、一続きにとらえることを目指しています。

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